初めてバレエを見た時、ドロテはまだ10歳だった。バレエは3歳の時からトゥールーズのコンセルヴァトワールで習っていた。上演が終わった後、彼女の頭にはもう、ひとつの考えしかなかった。
「エトワールダンスーズになる」
初めての挫折を経験し、どん底に突き落とされたが、決意はより一層固くなり、士気はますます高まった。翌年、ドロテはパリ・オペラ座バレエ学校に入学する。12歳になったばかりの時だ。他の道は考えられず、レパートリーの主要な役を演じることでしか幸せは得られないと思い、若きダンスーズは夢へ、エトワールへと近付いていく。パリに赴く娘に付き添うため、全てを投げ打った両親に励まされ、支えられながら。そして神聖な地位に辿り着くための階段を上りつめた2007年11月19日「くるみ割り人形」の上演の後、24歳で、彼女はエトワールに任命された…
ジェームス・ボールの写真に彩られたこの素晴らしい作品の中で、ドロテ・ジルベールは、バレエ学校での悪い成績、レッスンと競争に捧げられた《普通ではない》青年期の困難から、世界で最も美しい舞台で演じた数多くの役のことまで、その並外れた人生について率直に明かしている。怪我や疑念を持った時期だけでなく、母になった大きな喜びにも触れながら。多くの出来事が、彼女の若く閃くような軌道にちりばめられている。そしてさらに、どれほどの決意と力が己を蒼穹へと導きうるか、彼女は私たちに示している。
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