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◆第二句集
桜蕊降るアンチテーゼの嵩ほど
俳句を始めて十四年、まだ俳句がよくわからないという私の疑問に、池田澄子先生は、「私もわかりません。わからないから、俳句をしているのです。」と、答えてくださいました。わからないから、俳句をしている。この御言葉に、私は大いに納得し、大いに励まされました。
(あとがき)
◆自選十五句
只ならぬ世に男の子裸の子
少年にアメリカの匂ひ夜のプール
京に飽く京のお人と無月かな
エプロンの幾何学模様レモン切る
永き日のタカアシガニの一歩かな
ベルリンの壁消ゆどつと西日濃し
クロがゐた伊勢湾台風父がゐた
鶏頭と並んで立つて意見言ふ
ただ灼けて有刺鉄線続きをり
広島やぴたりと止みぬ蝉時雨
十二月八日来し方を問ふ机
寒紅を引くきつちりときつぱりと
桜蕊降るアンチテーゼの嵩ほど
鯉幟のなかの青空折り畳む
禍や会つておかねばならぬ朱夏
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