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日本の政治はなぜこれほどまでにダメになったのか?
菅首相にまで続く自民党政治をつくったのは原敬だった。
「平民宰相」として知られる原敬は、藩閥政治を打破した大正デモクラシーを象徴するかのようなイメージでとらえられてきた。しかし、実際の原敬は、怪物としかいいようのない最強の政治家だった。並みいる明治の元勲たちが、原によってなぎ倒された。伊藤博文や西園寺公望は踏み台にされ、山本権兵衛は傀儡でしかなく、山県有朋や桂太郎は跪かされ、寺内正毅や大隈重信は叩きのめされる。
そんな原敬をなぜ今取り上げるのか。それは、原が現代の日本の政治を決めた存在だったからだ。自民党政治の根源は自民党にあるわけではなく、長所も短所も、原が実質的につくった政友会にあった。今の日本の政治、特に「何回選挙をやっても必ず自民党が勝つ」という体制は、元をたどればすべて原敬に行きつく。「最初の本格的政党内閣」をつくったと多くの歴史家に評価される原敬の政治とは実際にはどのようなものだったのか。最後に凶刃に斃れるまでの原敬という希代の政治家の一生をその暗部も含めて描き切った傑作評伝。
[目次内容紹介]
第一章 青年期――寡黙な怪物の誕生と雌伏
第二章 怪物政治家の誕生──大臣、議員、政友会幹部へ
第三章 日露戦争と桂園時代──怪物、遂に政権を奪取
第四章 怪物の死闘
第五章 怪物の「是々非々」の政治とは?
第六章 怪物、最強の宰相に
終 章 原と政友会が残したもの
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