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「生徒の命を守る」「開かれた学校」「アクティブ・ラーニング」など、
誰も反対できないような「正論」を掲げて、学校の運営をはかる管理職たち、
それを推奨する学校行政が、現場の教師たちを追い詰めている。
6つの「正論」が悪循環をもたらす教育現状を嘆いた現役教師からの悲痛な訴えとその解決提案。
たとえば、生徒の命を守ることはもちろん大切だが、それが大義名分となって
教師の日常業務を無限に拡大している。生徒が家出をしたと言えばもう授業どころではなく、
一日中教師はその対応で追われ、肝心の授業はストップしてしまう。
「私は傷つきました」と生徒が訴えれば、それはオールマイティで、
どんな理不尽な要求でも誰も逆らうことができない。
また本来なら医者、福祉士、警察などに任せるべき専門分野を教師に負わせようとするのは教育現場の混乱を招く。
この本では、都立高校で三十年に及ぶ教師体験を持つ現役教師が、近年起こっている教師たちを
過剰に縛る管理体制、片寄ったスローガン、ポリティカル・コレクトネス、
教師の人権無視の就業規則などについて、本来なら豊かで自由であるべき教育が、
本末転倒にゆがめられている実態を、様々なエピソードを通して描いている。
日本の教育の現状を考える人に格好の本。
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