学校図書館をハックする

学校図書館をハックする

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出版社
新評論
著者名
クリスティーナ・A.ホルズワイス , ストーニー・エヴァンス , 松田ユリ子 , 桑田てるみ , 吉田新一郎
価格
2,640円(本体2,400円+税)
発行年月
2021年1月
判型
四六判
ISBN
9784794811745

学校図書館を外から見るとどんな感じかなー、といつも考えます。人によっては、もしかしたら巨大なガラスの広口瓶みたいなイメージかもしれないなぁ。「分厚いガラスの内側がなぜかいつも曇っていて、外からは中がぼんやりとしか見えない」。ふむふむ。「中に入るためには梯子を登って蓋を取らなくちゃならない」。なるほど。いつも曇っているのは、閉め切りがちな上に、その内部で働いている人の熱量が有りすぎて、外部との温度差によってガラス面に結露を生じてしまうからなのかも? 曇りガラス、梯子、蓋というバリアのイメージは、めちゃくちゃ敷居が高いということの反映?
 とにかく、こんなイメージを壊さないと! 実際の学校図書館は全然違うんだから! でも「実際」の「本当」が伝わらない。「これほど」や「あれだけ」の仕事が届かない。じゃあどうする? この問いに、明快かつパワフルかつポジティブに答えてくれるのが、本書です。学校図書館の内にこもったエネルギーを、学校全体に、そしてより広い「学びのコミュニティー」に放出して、子どもの興味を掻き立てて学びを促すタービンを回すことに使いませんか?―と、あの手この手(=ハック)を繰り出して誘うのです。思い立ったらすぐに試せるハックが満載なのも、やる気をそそります。楽しみながら取り組んだ結果として、曇っていたガラスがクリアになって活動が良く見えるようになれば、誰でも中に入るのが当たり前になり、バリアもいずれ消滅するに違いありません。
 しかも、とても実用的ながら、本書は単なる実践者のためのハウツー本にはとどまりません。子どもの学びにとって学校図書館のポテンシャルがいかに大きいかを具体的に見せてくれるショーケースでもあります。つまり、学校教育だけでなく、自分の頭で考えられる未来の市民の育成に関わるすべての人にとって、必読の本なのです。(松田ユリ子 神奈川県立高等学校図書館司書)

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