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心不全とは心臓の機能が低下している状態で、急性心不全と、慢性的に心機能が低下している慢性心不全の2つに大別できます。本書で主にとりあげる慢性心不全の主な原因としては、弁膜症や高血圧、心筋梗塞あるいは心筋症、不整脈などがあり、症状としては息切れや倦怠感、食欲低下、呼吸困難、足のむくみなどがあらわれます。一般的に時間とともに重症化し、酸素不足のためや不整脈その他の病気を併発して死に至る危険な状態です。わが国では現在でも100万人規模の慢性心不全患者がいると推測されますが、高齢化社会の到来とともに今後、「心不全パンデミック」が懸念され、団塊の世代が75歳以上に達する2025年には125万人を超えると予測されています。慢性心不全の急性増悪による再入院をふせぐために必要な病気と日常生活の知識を、専門医がわかりやすく解説します。
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