猫がこなくなった

猫がこなくなった

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出版社
文藝春秋
著者名
保坂和志
価格
1,870円(本体1,700円+税)
発行年月
2021年1月
判型
四六判
ISBN
9784163913148

猫好きの友人の高平君がうちに来て、涙ながらにいなくなった猫の話をはじめた、聞けば聞くほど私が外で世話していたキャシーそっくりだった。
 ついに1ヵ月経ったところで高平君は、迷い猫のポスターを貼りだした。それを作ったのは二週間目だったが、「貼ったら事実を固定化するみたいじゃん。」と思っていたのだ。レディはきっと帰ってくる、キャシーもそうだ。
 果たして高平君のレディはみつかるか?(表題作)

 特別に忘れがたい猫、突然伐られてしまった大きなヒマラヤ杉、賢いカラス、鎌倉の家から見えた川端先生のお屋敷、夏の明るい日差しの中で本を読むこと、隣家の物置きに住み着いた赤ん坊連れの女のひと、子猫が友人の手のなかで命を落とした夜明けまでの夜・・・

「命において死は生きるのと平行して在りつづける」ことを証しだてる9つの短篇小説。

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