自由

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出版社
書肆侃侃房
著者名
大口玲子
価格
2,640円(本体2,400円+税)
発行年月
2020年12月
判型
B6変
ISBN
9784863854352

海暗くあるのみ白き灯台は光の問ひを投げつづけをり



東日本大震災からまもなく10年。宮崎で暮らしながら、他の人々のために、自分自身からも自由であることを模索しようする本歌集は、読む人に「自由とはなにか」を問い続けます。





【自選6首】

海暗くあるのみ白き灯台は光の問ひを投げつづけをり

ジャカランダの落ちたる花も木に残る花もむらさきにけぶるあしたは

見せることあらねど見せしめのごとき死を死ぬのか人は目隠しをされ

川沿ひと信じ歩いてきた朝のここは川ではなくて海峡

晩おそなつ夏の阿修羅像きみは正面をわれは左の顔を見てをり

オーロラを動かすマウスに触れて子はひとり極地に立つごと冷えて

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