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大気汚染、コモンズ(共有地)の喪失、住環境の劣悪化など、工業化の進展に伴う環境毀損が目に見える形で急速に表れた19、20世紀のイギリス。そこでは経済学者たちの思想の中に「持続可能な経済」を志向する環境経済学の形成が準備されつつあった。本書では、環境と厚生に注目した経済学者J.S.ミル、A.マーシャル、A.C.ピグーを論じた上で、第二次大戦後のアメリカを舞台に、彼らへの内在的な批判者として、制度主義の立場から独自の持続可能性の経済学を社会的費用論として展開したK.W.カップを論じる。その後、それ以降の環境経済思想の深化を論述することで、現代の制度主義の環境経済学へと向かう「持続可能な経済の探究」の歴史的な系譜をたどり、これからの環境と経済のあり方を考える上での示唆を与える。
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