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「古代史研究のクロスロード」を副題とする本書は、日本語圏と英語圏、文献史学と考古学、それぞれの研究の流れが交差する地点に立って、始皇帝の統一に至る秦の歴史を展望する試みである。秦の自己意識と他者認識の変遷、考古学から見た秦国の経済、文書行政の開始と展開、『史記』の秦史叙述の独自性、西欧諸言語による秦史研究の動向など、帝国の誕生を論じた多彩な諸篇に加え、戦国都市の比較の中で秦の特性を浮き彫りにした一章が含まれる。巻末に載せた「西欧言語による秦史研究文献目録」は、欧米の研究に直接触れようとする読者にとって絶好の手引きとなろう。
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