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めぐりくる季節に、日々の変化の新鮮さを感じる田舎暮らし。
ふるさと京築〈けいちく〉は、掘れば意外にお宝が隠れていたり。
時代が移り変わっても、大事に語り継ぎたいヒト、モノ、コトの数々。
日めくり発見、365話。
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「豊前国の深層を掘る」より抜粋 郷土史研究家・小正路淑泰氏
“行動するエッセイスト”として著名な光畑浩治氏は、この約半世紀の間、豊前国の埋もれた文化遺産を次々と掘り起こし、研究者、メディア、実業家、行政等々と連携しながら地域の活性化に繋いできた。例えば、唐辛という一風変わった四股名で活躍した明治の技巧派小兵力士は行橋市の出身であり(第42話)、築上郡築上町をルーツとする日系二世の豊錦は、アメリカ国籍の関取第一号、太平洋戦争で翻弄される数奇な土俵人生だった(第314話)など、本書で初めて知る読者も多いのではないだろうか。
最近では、光畑氏を中心とする一般社団法人豊前国小笠原協会が、日本ワインの醸造ルーツといわれる細川小倉藩時代の“ガラミワイン”を四百年ぶりに再興し、メディアの注目を集めた。
光畑氏のエネルギッシュな行動と執筆を支えているのは、豊前国に対する愛着と「田舎ぐらし」の矜持である。今回改めて『田舎日記』四部作を読み返してみると、そこには、華やかな「都会」の皮相よりも一見何もなさそうに見える「田舎」の深層にこそ意味や価値があるのだ、という強い信念が貫かれていることがよく解る。
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