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社会に遍在する「紛争という現象」をどう捉えるか。本書は紛争現象の過程理解と対処の在り方をめぐる著者の研究の集大成である。「紛争解決」という従来の捉え方を,当事者の目線から批判しつつ,「紛争交渉」という概念に立脚し,紛争に巻き込まれてゆく当事者の認知を基盤に,あるべき紛争交渉支援を模索する。
【主な目次】
●第1部 紛争研究の視点
第1章 紛争研究パラダイムの再構成へ向けて
第2章 交渉としての紛争過程――紛争交渉の視点
第3章 紛争研究の変容と「合意」批判――法人類学の転換をめぐって
●第2部 ADRの構造と過程
第4章 現代における紛争処理ニーズの特質とADRの機能理念――キュアモデルからケアモデルへ
第5章 ADRの理念と構造
第6章 法化社会における自律型ADRの可能性――「法の支配」の脱構築
第7章 自律型ADRモデルの新たな展開――紛争交渉論とトランスフォーマティヴ・アプローチ
第8章 調停における中立性とケアの倫理
第9章 ADRにおける「自律」と「介入」
第10章 ADR手続における専門性と法情報――日本型法環境とADRの機能
●第3部 紛争交渉の個別課題
第11章 家事調停における対話促進スキルの適合性
第12章 医療事故ADRの二つのモデルと機能性
第13章 対話モデルとしての医療メディエーション
第14章 無過失補償理念導入の二つのモデル――スウェーデンとフランスの医療事故補償
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