本書は、中級レベルの電磁気学のテキストとして抜群の定評をもち、北米を中心に広く使われている。語り口の味わいやわかりやすさは勿論のこと、その真価は脚注で引用されている文献とそれに密接に関連づけられた内容が本文や演習問題にさりげなく反映されている点にある。最近議論される内容までも意欲的に反映され、改訂のたびに新しい視点を取り込んでいる、まさに生きた電磁気学のテキストともいえる。さらに、演習問題は単なる章末問題としてではなく、例題とともに本文中に内容の理解を促進させるかたちで埋め込まれていることが特徴であり、周到な学習過程デザインがなされている。
第II巻では、おもに時間変動を伴う電磁気学的現象を扱う。通常のテキストで扱われる電磁波の伝搬や輻射の問題に加え、遅延ポテンシャルやジェフィメンコ方程式によるマクスウェル方程式の解を詳細に取り扱っている点、相対論について詳細に述べている点が特徴である。
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