「明るい未来」を子どもたちに

それでも「ふるさと」 あの日から10年

「明るい未来」を子どもたちに

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出版社
農山漁村文化協会
著者名
豊田直巳
価格
2,200円(本体2,000円+税)
発行年月
2020年12月
判型
A4
ISBN
9784540201677

東に太平洋、西に阿武隈の山々をのぞみ、
海から山まで続く緑ゆたかな町がありました。
ここ双葉町には約7千人が暮らしていました。

しかし、2011年3月の原発事故によって、
すべての人びとが「ふるさと」を追われ、
町役場のあたりも草におおわれていきました。
10年近くたっても、だれも住んでいません。

でも、ここには人びとの日々の暮らしがあり、
「明るい未来」を夢みた時代もありました。
その夢をみさせてくれたのは、原発でした。
しかし、その原発は、未来や夢だけでなく、
暮らしも奪ってしまいました。

町にある原発から飛び散った放射性物質は、
今も、これからも強い放射線を出し続けます。
ずっと、ずっと、何代にもわたって。

それでも、この町に生まれ育った人にとって、
ここは、かけがえのない「ふるさと」。 
暮らしを紡ぎ、未来を築こうとしていた人びと。
今は、遠くの避難先に住んでいても、
心のなかに「ふるさと」は残っています。

たとえ、もう住めなくても、残したい、伝えたい。
心のなかの「ふるさと」を、
ここに暮らしがあったことを、
子どもたちに。

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