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本書は、1冊でプログラミングと数理生物学の両方を学習し、初心者が最短距離で生命現象のシミュレーションを習得することを目指します。
<数理生命科学とは?>
生命科学の諸分野において数理モデリング、数値シミュレーション、画像解析などの数理・情報系の知識や技術が必要となる場面が増えています。物理や工学の分野では、対象とする現象を数式に置き換えた数理モデルを用いることで、新たな現象を予測したり、現象の背景にあるメカニズムを明らかにする手法が一般的です。生命科学の分野でも数理モデルを取り入れた数理生物学が注目されています。ですが、数理モデルによる予測を実験的に検証することで、生命科学を本質的に推進する様な、真の融合研究はいまだに困難です。数理生命科学とは数理生物学とほぼ同じ意味ですが、数理科学と生命科学の融合研究の発展を願い、本書のタイトルを「いますぐ始める数理生命科学」としました。
<こんな方にお勧め>
数理科学と生命科学の融合研究のためには、コンピュータープログラミングが非常に重要です。多くの生命科学研究者や学生の方々は、数理生命科学が重要だと認識はしていても、プログラミングの教育を受ける機会がなかったり、苦手意識のせいでなかなか始められないという場合が多いと思われます。しかし、最近のコロナ禍の状況は、家でもどこでもできるプログラミングを習得する良い機会です。本書では、数理科学や情報科学のバックグラウンドが無くても生命現象のシミュレーションが出来るようになることを第一の目的としていますし、伝染病の数理モデルというタイムリーな話題をはじめ、幅広い生命現象を扱っています。この本をきっかけとして、数理生命科学にチャレンジしてみてください。
<書籍の特徴>
多くの数理生物学の書籍において、様々な数理モデルの生物学的な意義や数学的な性質が解説されています。ですが、数理モデルに使われている数式を具体的にどうやってコンピューター上で扱えば良いのか、どうやってシミュレーションしたら良いのかについてはほとんど説明されていないことが多いと思います。それは、コンピュータープログラミング、さらにプログラム中で数式を取り扱う方法を説明するだけで、非常に大変だからです。ですから、プログラミングの経験の無い方が生命現象のシミュレーションをしたいと思ったら、プログラミングと数理生物学の両方を学習する必要があるのです。
本書は1冊でプログラミングと数理生物学の両方を学習できるという特徴を持っています。1・2章ではMATLABによるプログラミングの基礎、3・4章では様々な数理モデルによる生命現象のシミュレーションについて解説しています。また、1・2章では3・4章で重要となる考え方に絞って重点的に解説していますし、3・4章では数学的な厳密性よりも直感的・視覚的な説明を心がけています。初心者が効率良く、最短距離で生命現象のシミュレーションを習得できるよう工夫しているのです。まさに、これ一冊でいますぐ数理生命科学を始めることがで
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