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*本書『MOSTLY BAMBOO』は海外の読者を想定しており、全編が英語で書かれていますが、日本の読者用に別冊付録として日本語翻訳版が付いてきます。通常の書籍形態とは異なるため、その点をご留意の上ご購入くださるようお願いいたします。
日本でフライフィッシングが渓流釣りに有効な方法として認知され始めたのは1970年代後半のことで、ブラット・ピットの出世作である映画『リバー・ランズ・スルー・イット』で一気にブレイクした。西洋から日本に持ち込まれた多くの遊びや趣味同様、見よう見まねでやっているうちに、日本人のフライフィッシャーの理解は進み、米国で使用されているフライロッドが必ずしも日本の釣り場環境にはマッチしていないことがわかってきた。というのも日本における渓流釣りの対象魚であるヤマメやイワナは、米国の主な対象魚であるレインボー・トラウトやブラウントラウトとは大きさや力がちがうし、かつ釣り場の環境も大きく異なっているからだ。その事実に気づいた日本の釣り人は、木々に覆われた日本の渓流でヤマメやイワナを釣るのに適したフライロッドを探し求め始めた。狭い日本の道路を走るために自動車業界が軽自動車を生み出したように、規模の小さな日本の渓流で使うべきフライロッドが必要だと考えたのだ。
そこで発見したのがバンブーロッドであった。欧米ではすでに過去の素材として忘れられかけていた竹ではあったが、竹文化の国である日本の釣り人の興味が竹に向くのは、半ば自然な成り行きだった。やがて日本のフライフィッシャーは竹竿が美しいだけでなく、日本の渓流に最適な釣り竿であることを知った。そして需要と供給の経済原理どおり、1990年代後半から2000年代初頭にかけて、多くのバンブーロッド・メーカーが誕生したのだった。
フライフィッシングが盛んになるにつれ、日本からは多くの釣り用品が世界に輸出されるようになったが、その多くはナイロンやフロロカーボン、浮力剤といった化学工業製品や釣りばり等の消耗品であり、花形であるところのロッドやリールは日本国外に出て行くことはなかった。その貿易構造は平成から令和にそのまま引き継がれて現在に至っており、フライロッドやリールに関しては貿易赤字どころが、鎖国しているのではないかというレベルでさえあるのだ。
日本に数多くのフライロッド・メーカーがありながらも、海外で知られていないメーカーはほとんどないのが現実である。日本のフライロッドメーカー、ことにバンブーロッド・メーカーが零細企業どころか、ほとんどが個人事業であるため、世界に目を向ける余裕がないという事情がある。この情報が外に出て行かないという状況を突破し、知られざる日本の竹竿製作技術を世界に向かって発信しよう、というのが本書最大の眼目である。
バンブーロッド・メーカーを中心に、ファイバーグラスロッド、グラファイトロッドを製作しているメーカーの現場を取材し、独自の素材や製法を余すことなく紹介しているため、フライフ
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