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「生徒指導の方法を誤れば、生徒のその後の人生に大きな影響を与えてしまう」。本書の「はじめに」に述べられている言葉です。大変重い指摘ではないでしょうか。生徒は成長の途上にあるわけですから、様々な問題行動が現れてくるのは当然でしょう。しかし、その問題行動が誰かに取り返しのつかないほどの深い傷を負わせてしまうような事態は阻止しなければなりません。その行為を受けた生徒の人生に、それこそ深刻な影響を与えてしまうことになります。
では、問題行動に対して、私たちはどのように対応すればよいのでしょうか。厳罰を課すだけでは真の成長は難しいとしても、本人が行為の深刻さを受け止めず、結果への責任もとらないのであれば、それこそ成長は望めそうにありません。
本書では、その解決方法として、アメリカですでに効果が実証され、今後の発展にも大きな期待が寄せられている「関係修復のアプローチ」を紹介しています。「関係修復のアプローチ」とは、誰であれコミュニティから排除しないという信念のもと、関係性の修復を重視するものです。本書ではまた、学級や学校を安心して学びあい、成長できる場(コミュニティ)とするために、学校として取り組むべき日常の予防的な方策についても詳述しています。とくに、マインドセット(第5章)、マインドフルネス(第6章)、共感力(第7章)に関して描かれていることは、不安定な感情や困難に直面したときに生徒がそれを乗り越えるための現実的なツールを提示しており、その後の人生においても心強い指針となるでしょう。
著者の、どこまでも愛情深い眼差しと、確かな実践に裏打ちされたヒントが満載の本書を、ぜひ日本の教育現場で奮闘されている先生方、またその指導に接している生徒と保護者のみなさん、そして教育にかかわるすべての方々に読んでいただきたいです。(たかみ・さち 公益財団法人未来教育研究所研究開発局長)
【一番心に残った場面、言葉、】 「関係修復のアプローチ」
例えば、宿題をやってこなかった生徒がいたとして、教師がその子に、「なぜやってこなかったんだ?次はしっかりやってきなさい。」と言うことは簡単ですが、そう指導された生徒は、次やその次、これから先、宿題をやってくるようになるのでしょうか?本書の答えはNO。代わりに「関係修復のアプローチ」という新たな指導法を提案しています。「関係修復のアプローチ」とは簡単に、間違えを正すための具体的なステップを生徒と共に考え出す、という指導方法です。そのアプローチについて詳しく書かれた、生徒指導のバイブルのような本です。
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