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【歌集より】
秋の日のミルクスタンドに空瓶のひかりを立てて父みな帰る
とうめいなかかとのかたち天空も公孫樹の黄(きい)を踏んでみたくて
風鈴を鳴らしつづける風鈴屋世界が海におおわれるまで
白の椅子プールサイドに残されて真冬すがしい骨となりゆく
革装の書物のように犀は来て「人間らしくいなさい」と言う
「夢といううつつがある」と梟の声する ほるへ るいす ぼるへす
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