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芸論から人生論・世界観まで
73歳になった俺が今、考えていること――
「いろんなものが消えていく。だけど、忘れちゃいけないものもある。面白かったテレビ。貧しかったけど希望のあった暮らし。大家族の絆。資本主義に蝕まれる前の、働くという喜び――だから、俺は、この時代に向けて、「弔辞」を読もうと思った。たとえ、消える運命にあるものでも、それについて、俺自身が生きているうちに別れのメッセージを伝えておこうと考えた
(主な内容)
●ビートたけし「自分への生前弔辞」
●朝、目が覚める瞬間が怖い理由
●やり残したのは「独裁者」
●人間は欠陥品だ。理想と現実の行為が必ず違ってくる。そこに「笑い」が生まれる
●志村けんちゃんは苦労人だった
●いくつになっても忘れない母親の教え
●ささやかな幸せがあれば、なんとか生きていける
●働くことに理由なんて要るのか
●人生って結局わりと平等なんじゃないか
●漫才はテレビに始まりコロナで終わる
●誰も気づかない資本主義の恐ろしさ
●エンタメには寿命がある
●政治に何かを期待するほうがおかしい
●科学と神様と人間の三角関係
●ビートたけしはつまらなくなったのか ほか
(以下 「はじめに」より抜粋)
[弔辞 ちょうじ]
死者を弔う言葉
故人に対して伝える別れのメッセージ
(中略)
芸人の俺に、「この時代への弔辞」を読ませようと企んだ出版社があって、しかも、それがあの講談社だった。
俺は面白いと思った。生涯、読むつもりもなかった弔辞を、俺がここで読んだらどうなるか。
昭和、平成そして令和。なんだか、俺がガムシャラに生きていた、あの頃がえらい昔になっちゃったなと思う。
俺の人生が、あとどれくらいなんて神様にしか分からないけど、好き勝手、生きてきたわけだから、今のうちに思ってることを吐き出しておくのも悪くないと思った。
昔と今では考えていることもかなり違ってきたし
最初に断っておくが、しんみりした話はほとんどない。
ただ、今俺が思っていること、感じていることを、これからも巡りゆく時代に「弔辞」というタイトルで送るだけだ。
それともう一つ。
俺が死ねば、俺の芸も忘れさられるだろう。
だから俺なりに真剣に考えた「芸論」も 遺言 代わりに載せておくことにした。
それじゃあ始めようか。
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