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十六世紀末、従来出版活動を行っていた寺院はもとより、天皇や将軍そして新興の豪商などをも魅了した、日本書物史における新たなメディアが誕生した。―古活字版である。
これらは、どのような環境において、いかなる人的ネットワークのもとで刊行され、どのように享受されたのか。
古典の代表作として広く享受され、多数の現存伝本を持つ下村本『平家物語』、史上稀なる豪華活字版本として製作された「嵯峨本」、そして、古活字版製作をめぐる場と人びとに着目し、長年にわたる古活字版の悉皆調査を行ってきた知見をもとに日本出版史における古活字版の時代を炙り出す。
嵯峨本諸本、『平家物語』下村本諸本の現存伝本目録を収載。
図版点数約200点!
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