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"Gillian Thomas著、because of sex : One Law, Ten Cases, and Fifty Years That Changed American Women’s Lives at Work (2016) の翻訳です。
1964年アメリカ公民権法の第7編(通称タイトルセブン)で初めて定められた性別を理由とする(because of sex)雇用差別の禁止規定を頼りに、この50年間で多くの女性たちが差別的取り扱いの是正を求めて闘ってきました。
その闘いを通して公民権法の条文の内容が連邦最高裁の判決によって具体化されていき、男女の賃金差別の禁止、セクハラの禁止など、今では当然と思われている様々な権利が勝ち取られてきたのです。
その中の代表的な10の判決に光をあて、時代も背景も異なる10人の女性たちがそれぞれどのようにして会社に立ち向かい、裁判で勝利を獲得するに至ったのか、その闘いの物語を描いたのが本書です。
アメリカの弁護士である著者の丹念な調査に基づくとともに、アメリカの労働法と判決の内容をわかりやすく解説しながら展開される10の物語が、日本の労働法学を代表する研究者により確かな内容で、かつ大変いきいきとした文章で訳出されています(訳者は一橋大学大学院教授で現在日本労働法学会の代表理事も務めています)。
本書で描かれる女性たちの葛藤や男女の役割に関する社会のステレオタイプな意識が、決してアメリカだけのものではなく、また決して過去の話でもなく、現在の日本の働く女性たち、そして男性たちにも共通する課題であることに、読者は深い共感と多くの示唆を得るに違いありません。
「とにかく、本書を手に取って、1つずつ彼女たちの物語を読み進んでいただきたい。ハッとする鋭い指摘や、ニヤリとさせられるユーモアや、胸にジーンと来る場面も、しっかり味わいながら。10の物語を読み終わり、最後のエピローグに至ったとき、彼女たちが苦闘の末に闘い取ったものの大きさが、残された課題とともに、鮮やかに浮き上がって来ることであろう。」(訳者あとがきより)"
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