[「証券アナリストジャーナル」2021年7月号に、『日本のコーポレートファイナンス』書評掲載(産業能率大学教授・光定洋介氏執筆)]
ファイナンスの研究は、その対象となった企業も含め米国のものが多い。本書は、日本の上場企業の財務担当者に対して行ったサーベイ調査(アンケート)を中心に、その財務行動を分析している。このような調査・分析が書籍として刊行されるのは本邦において初めてであり、一般的な実証分析では得られない、日本企業の財務に対する「意識」や「考え方」の特徴を明らかにする。
特に分析においては、サーベイ調査の結果を並べるだけでなく、ファイナンス理論や米国における同様の調査との対比、日本企業の財務を特徴づける事例などから、多面的に日本企業の財務行動の特徴を描き出す。
扱うテーマも、ESGやコーポレートガバナンス、企業文化といった、従来のファイナンス理論では扱ってこなかった最新、そして注目のトピックも扱い、ファイナンスをめぐる企業行動を幅広く捉えようと試みる。
研究者はもとより実務に携わる方々にも貴重な知見が得られるだろう。
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