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対外関係の緊迫した幕末、ロシアの国境画定要求を巧みに処理し、寸土を譲ることなく日露和親条約の締結を成し遂げた幕府吏僚の俊秀。軽輩の家から立身して勘定奉行に栄進し、海防事務に参与したが、安政の大獄に坐して隠居、江戸開城の決定を知りピストルで自尽するに至る。その才腕を示す業績の全般と幕臣としての信念に生きた生涯を克明に描く。
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