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もしトルーマンではなくウォーレスが大統領になっていたら、世界の歴史は変わっていたかもしれない――
ルーズベルト政権下で農務長官、副大統領を歴任したウォーレスは、豊富な科学知識やアインシュタインら科学者との信頼関係をもとに、世界平和を見据えた原子力技術管理、権利や利益を独占しない市民国家としてのアメリカを構想していた。しかし、男女平等、黒人差別撤廃、反植民地主義などのリベラルで進歩的な世界観は当時のアメリカ国内で孤立し、ウォーレスは表舞台から放逐されて、アメリカは原爆投下、そして冷戦への道をたどることになった――。歴史の分かれ目からこぼれた知られざる孤高の政治家の姿を明らかにする。
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