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ある日、イスはふと思った。「いつまでも人に座られ続ける必要はないんじゃないか。」そう気がついたイスは、一歩踏み出さずにはいられなくなる。家を飛び出し、野を越え、山を越え走るイス。その俊足ぶりは、史上最強の名馬ガンバリルドルフの耳に入り、2人はやがて、大観衆の中で、その速さを競うのだった。史上最強のプライドをかけて走る名馬ガンバリルドルフ。力いっぱい走ることこそが自分のやりたかったことだ、と無我夢中で走るイス。・・・そのレースのことは、公式な記録には一切残されなかったが、多くの人の記憶にいつもでも残り続けた。やりたいことが見つかると、動かずにはいられない。そんな気持ちを、通常であれば動きっこないイスが動き出すというストーリーから感じてもらいます。コピーライターから絵本作家に転向したサトシンの“一歩踏み出さずにはいられなかった”思いを表現した作品で、多くの人の胸を熱くし、心を打ちます。
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