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交通事故,渋滞,環境破壊,エネルギー資源問題などの自動車の負の側面を大きく削減し,人間社会における多方面での利便性がより増すと期待される道路交通革命がCASE化である。CはConnected(インターネットなどへの常時接続化),AはAutonomous(またはAutomated,自動運転化),SはServicized(またはShare & Service,個人保有ではなく共有によるサービス化),EはElectric(パワートレインの電動化)を意味し,自動車の大衆化が始まった20世紀初頭から100年ぶりの変革期といわれる。
第4巻「車両の電動化とスマートグリッド」は,CASE化のEに焦点を当て,電動車両自体とそれを建物や社会につなげる最新技術をまとめた稀有な内容となっている。
本書の前半(第I編)は,電動車両を復活に至らしめた最新の技術の解説に充て,1 章で車両の電動化が社会にもたらす影響を内燃機関と比較しながら明らかにするとともに,電動車両のシステム構成とその設計要求を説明した。次に,電動車両を構成するのに必要となる電子・電気工学の技術(エレクトロニクス)については,2 章で電池や充電器,電力変換装置を,3 章ではモータを,その原理から最新技術までを紹介している。
電動車両は移動手段としての自動車本来の用途を超えた利益をもたらすもの,つまり,うまく使えば電力品質の安定化や電力の有効利用につながるものとして注目を集めている。本書の後半(第Ⅱ編)では,電動車両をエネルギーマネジメントに活用することを目的とした最新の研究についての内容を扱い,次のような構成とした。4 章では電動車両とエネルギーマネジメントの関係について深掘りし,5 章では住宅やビルへの,6 章では電力系統への電動車両の活用を紹介する。7 章では,電動車両の新たな普及形態としてのシェアリングに着目し,その運用とエネルギーマネジメントの連携について解説する。8 章では,電動車両をエネルギーマネジメントに活用する上で不可欠な,利用者による使用形態の予測問題を扱った。
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