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柳田國男が若き農政学者時代の中世荘園の覚書『高野山文書研究』は、社会を構成する地域の末端にいる〈村〉の住民の暮らし向きの歴史の解明であった。本書は、柳田國男のその研究ノートをもとに、紀伊・和泉・備後などの中世荘園史料を渉猟し、現地に赴き、〈中世の村〉と現在の生活とのつながりを調査する。また、柳田国男最初期の著作『三倉沿革』は、農政学者時代の自筆の未発表草稿として知られるが、本書では柳田自身の「飢饉の体験」を底に秘めたこの草稿の持つ意味を探索する。
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