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この部屋から、20世紀音楽が生まれた──
古色蒼然たる音楽院の一室で、彼は何を語ったのか。
証言と回想から「伝説のクラス」の全貌が蘇る!
「選ばれし師は開眼させてくれるのです。
ただ彼がそこにいるということ、
あるいはその振る舞い、その存在によって、
あるいは彼個人の厳格さを垣間みせる指摘を通して」
──ピエール・ブーレーズ
ブーレーズ、シュトックハウゼン、クセナキス、
アンリ、ミュライユ、グリゼー、ベロフ……
綺羅星のごとき教え子たちを前に、
古色蒼然たる音楽院の一室で、
彼は何を語ったのか──
証言と回想から「伝説のクラス」の全貌が蘇る!
20世紀最大の作曲家のひとりであるオリヴィエ・メシアン(1908?1992)は、類い稀なる教育者でもあり、その教室からはブーレーズ、シュトックハウゼン、クセナキスなど、その後師とともに20世紀音楽を担う綺羅星のごとき大作曲家たちが巣立っていった。
本書は、メシアンが戦時下の1941年──あの《時の終わりのための四重奏曲》を作曲した収容所から解放されたのち──、パリ国立高等音楽院に着任してから、およそ半世紀にわたって力を注いだ音楽教育の全貌を、弟子たちの証言にもとづいて初めて明らかにするとともに、彼らが師にいかに傾倒し、その教えを継承し、あるいは反撥しながら20世紀音楽を切り拓いていったかを跡づける音楽ドキュメンタリーの傑作である。
メシアン自身の音楽観だけでなく、中世・ルネサンス期の音楽からバッハ、ベートーヴェン、ワーグナー、ショパン、ドビュッシー、そしてストラヴィンスキーにいたる過去の音楽を、彼がいかに評価し論じたかを知ることのできる貴重なドキュメントともなっている。
「1940年代の末からその音楽が世界各地で演奏されてきた作曲家が、
モーツァルトの音楽や鳥の歌ひとつに文字どおりひれ伏している、
その姿を一目見るだけで、どれほど悲観的な人であっても、
芸術に対する揺るぎない信頼と芸術のもつ力を確信せざるをえない」
──本書「終章」より
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