流れに逆らいて

流れに逆らいて

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出版社
みなも書房
著者名
アンガス・キンニア , 蘇畑卓郎
価格
1,320円(本体1,200円+税)
発行年月
2020年11月
判型
A5
ISBN
9784990936532

著者のアンガス・キンニアはウォッチマン・ニーと生前ロンドンで親交があり、医学博士・宣教師としてインドミッションに参加し、現地で医療と伝道活動に従事した人です。彼はウォッチマン・ニーのメッセージ原稿等を数多く出版して、よく知られる『キリスト者の標準』も彼の編集になるものです。

ウォッチマン・ニーは、1903年(明治36年)、祖父の代からのクリスチャンファミリーの、9人兄弟姉妹の第3児、長男として中国南部のスワトウで生まれました。西洋式教育を受け、16歳で聖マルコ英語高等学校入学。トリニティー・カレッジを経て将来は海外留学、政府官僚へと両親の期待がありましたが、18歳のとき、宣教師ミス ドーラ・余の集会に初の参加、その場で罪の悔い改めとキリストの中に真の救いを見出し、自らを明け渡して神に仕える決意を固めました。

ウォッチマンの名前の由来―これは母の願いと祈りの結果でもありました。
中国では男児誕生が歓迎され、女児を生んだ母親は白眼視されます。最初生まれた二人の子が女児だったので肩身の狭い思いをしていた母親は、第3回目の妊娠の時神に祈ります。「どうぞ男児をください。そうすれば私はその子をあなたに捧げます」。その祈りを捧げた深夜、彼女は夜回りが打つ拍子木の音を聞いたのです。
ウォッチマン・ニーの幼名は倪述祖(倪家の祖先を述べ伝える者)でしたが、ウォッチマンの回心の際、母親はそのことを思い出して、彼が世に警鐘を鳴らしてこの世の邪悪から人々を守り正義へと導く夜回り、すなわちWatchmanになって欲しいという母の提案から「倪柝聲(ウォッチマン)」とされました。

中国では多くの外国宣教団体が伝道に従事してきました。ウォッチマンは彼らに多くの教示を受けつつも、必ずしも彼らと同一歩調は取らず、友人たちと共に独立伝道の道を選びました。牧師制度がなく、会員制度もない。全ての信者が報酬を受けない働き人であり、宣教団体から独立して働く━ウォッチマンたちが築いた集会は「小さな群れ」と呼ばれています。

ウォッチマンは、中国共産主義の台頭により晩年の20年間、投獄されることになります。長い獄中生活を通しても多くの信徒たちに勇気と希望を与え続けて、1972年(昭和47年)その波乱万丈の70年の生涯を閉じました。

信仰を貫いたウォッチマン・ニーの生涯と、近代中国史がおりなす激動のドラマを是非ご堪能下さい。

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