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慶応四年(1868)5月の上野戦争で、江戸の全市民から熱狂的エールを受けながら、新政府軍のアームストロング砲の前に一日で敗退したと片づけられてきた彰義隊。
徳川王朝の滅亡に際し、恭順を拒み、西から侵攻した新政府軍に剣をとって立ち向かい義に殉じた江戸の幕臣、譜代藩臣には10代の御曹司も混じってはいたが、組織、装備ともに整った佐幕連合軍で、伝えられるような烏合の衆ではなかった。明治期のマスメディアで「幕末の花」と謳われるも、その後長きにわたり官軍史観によって幕末維新史の彼方に葬り去られ栄光を奪われた。
彰義隊の歴史、隊士をはじめ、関連人物の人間像、そして映画・演劇・絵画などにおける受容などを幅広く紹介。さらに生存者と子孫の証言や一次資料、関連史料を解析し事実と照合。彰義隊を扱った作品は多いが、多面的かつ本格的に俯瞰するものは少ないなか、改めてその実態と全貌に迫る待望の書!
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