永い歴史の中で培われてきた催眠の知見を習得することは,催眠から生み出された技法だけでなく,すべての心理面接技法のスキルアップに有効な手段となる。
本書では,心身を始めとするさまざまな心理的な問題を抱えるクライエントへの援助としての心理臨床活動において,広い意味での「催眠」を用いる心理面接を「催眠心理面接法(Hypno-psychotherapy)」と呼ぶ。
「催眠心理面接法」は,「催眠導入プロセス(自己努力)」,「催眠自体(トランス自体)」,「催眠事態(状態・場・触媒)」という催眠導入暗示から解催眠暗示までの一部の要素を活用するものから,一連の要素を活用するすべての催眠面接法を包括したものである。
臨床心理士・公認心理師はじめ心理臨床に携わるすべての臨床家・研究者に,実践や研究に役立つ催眠に関する情報を提供することを目的として,本書は事例を重視し,第?部の「催眠心理面接法の実際――『架空事例』にみる臨床適用」では,催眠面接時でのクライエントとセラピストのやり取りを具体的に紹介,第?部の「コラム」においてもできるだけ事例を取り上げている。
また,第?部の「概説」では,催眠の歴史から始まり,催眠に関する最新の研究動向と催眠面接の新しい考え方を提案する。
よく利用するジャンルを設定できます。
「+」ボタンからジャンル(検索条件)を絞って検索してください。
表示の並び替えができます。