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セーラー服を着ていた。30歳で死のうと思っていた。
そんな僕に、こんな未来が訪れるなんて――。
父として、LGBTQムーブメントのリーダーとして、仕事、家族、恋愛など
社会の「普通」を問い直す、フミノの奮闘記。
* * *
2020年8月、NHK総合でドキュメンタリー「カラフルファミリー」が放送され、SNSで話題となりました。
トランスジェンダー男性と、パートナーの女性、そしてゲイの親友と、彼らの赤ちゃんの「4人家族」の物語。本書はそのトランスジェンダー男性フミノ=杉山文野の物語です。
1981年女性の体を持って誕生した杉山さんは、性自認は男性。
乳房切除手術を受け、現在は男性として生きています。自身がトランスジェンダーであることを告白し、恋や悩み、自分らしく生きようともがく日々を綴ったロングセラー『ダブルハッピネス』を2006年に出版してから14年、本書は2冊めの著書となります。
杉山さんは、前作刊行後、海外を放浪し帰国して就職。その傍ら、テレビ出演や講演会で性的少数者の現状を語ってきました。そして、LGBTQの若者の集まる場を作り、パートナーシップ制度の口火をきった渋谷区の条例に深く関わり、東京レインボープライド(パレード)の共同代表を務めるなど、さまざまな活動を牽引してきました。
セーラー服を着ていた高校時代、希望が見えず「30歳になったら死のう」と考えていた杉山さんが、当時想像もできなかった今の自分。まさに激動といえる14年間は、読む人に「普通とは何か」を考えさせ、さまざまな悩みを持ち、明るい未来を思い描けず苦しんでいる人に、勇気と希望、自分らしく生きるためのヒントを与えてくれます。
目次
はじめに
第一章彼女のこと
第二章親のこと、活動のこと
第三章東京レインボープライド
第四章同性パートナーシップ条例
第五章ファミリーのこと
未来へ あとがきにかえて
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