富有柿

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出版社
ふらんす堂
著者名
児玉裕子
価格
1,870円(本体1,700円+税)
発行年月
2020年10月
判型
A5
ISBN
9784781413266

◆第一句集

同級のをぢさんバンド山笑ふ

真実が宿るものを詩と呼ぶならば、これらは詩である。私たちはこんな風に暮らしているのだなあ、としみじみ思う。ぼおと照り映える〈富有柿〉という詩。

序より・加藤かな文



●自選十句

寒明のぴんと跳ねたる真鯛かな

平凡な会話机上のシクラメン

万緑や子は堂々と二児の父

柿の花柿のかたちをしてをりぬ

駐車場どこにもなくて蝸牛

富有柿赤子ころんと寝返りす

鰯雲大股になる散歩かな

小春日の手旗誘導入港す

ごつき手のほれ持つてけと大根引く

エッチングのごとき木立や冬の水

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