取り寄せ不可
誰かが薔薇の花束を贈ってくれたら、
自分が特別な存在なんだと思える……。
故郷での休暇中、エレナーはフルク・ファン・ヘンスムと再会した。
彼と最後に会ったのは、もう15年も前のことだ。
昔のフルクは、エレナーの髪を引っ張るような威張りん坊の少年だった。
それが今や有名な内科医で、長身の立派な大人の男性になった姿に、
エレナーは息をのんだ。でも、意地の悪さは以前と変わらない。
エレナーの家族にはにこやかなのに、なぜか彼女にはそっけないのだ。
不意にフルクから、結婚はしたのかと問われ、エレナーの脈拍が上がる。
まだと答え、同じ質問を返すと、フルクは言った。「婚約はしている」
エレナーはなぜだかわからないけれど、ばかばかしいほど動揺した。
単なる嫌いな人のはずなのに……どうしてこんなにも心が乱れるの?
「婚約者はきれいな人?」女心から思わずそう問いかけ、目をみはるような美人で服のセンスも抜群という答えに、エレナーは自分の着古した服を見て意気消沈。そんな彼女は、クリスマスに大切な人から大きな薔薇の花束を贈られるのが夢ですが、はたして……?
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