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学生が主体的に考え、意見交流を行うプロセスを重視した新しい授業のあり方を提案。『日本語を学ぶ/複言語で育つ』を教材として学んだ早大生たちの授業実践の記録。学部生12名の提出レポートを特別公開。対話を通した学びとは。
■「はじめに」より
今、世界各地で求められているのは、社会状況の急激な変化の中で、何が正しい情報かを見極める判断力や、深く考える思考力、多様な要素を総合的にまとめ表現する力などです。また、そのような力を育成する方法が模索されています。一人で学ぶだけではなく、他者と対話をすることによって学び合うという教育実践も、その一つです。
本書は、以上のような問題意識から行われた探究型アプローチによる大学教育実践の記録です。幼少期より複数言語に触れながら成長する子どものうち、「日本語を学ぶ/複言語で育つ」子どもをテーマに、学生たちが課題を解き、意見交流を重ね、自分の考えを深め、まとめ、発表することを行った半年間の授業実践の記録です。
教員が大教室でマイクを持って一方的に学説や自分の研究成果を語る講義形式の大学教育は、古い方法論としてすでに役目を終えたように見えます。本実践は、そのような古い方法論とはまったく異なります。本書は、どのような素材と問いから学生が主体的に考え、意見交流を行い、自分の考えを深めていくのか、そのプロセスを追いながら、学生の意見をふんだんに提示することで、新たな授業づくりのヒントを提示することを目的とします。
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