特集:魯山人の自然美
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特集 魯山人の自然美
日本で最も有名な陶芸家は誰か? と考えると、
それはおそらく北大路魯山人(1883~1959)だろう。
陶芸のみならず、篆刻・書画・漆などの様々な分野で能力を発揮し、
「食器は料理の着物」という有名な言葉を残した。
陶芸ファンのみならず多くの人に知られているが、
「傍若無人、傲岸不遜」などと評され、悪評高い。
不遇な生い立ち、自らが始めた料亭「星岡茶寮」からの追放、
柳宗悦などへの容赦ない批判、
織部焼の人間国宝辞退、何度も繰り返す結婚と離婚など、
波乱に満ちたその生涯について記された書籍も多い。
しかし、そうした魯山人についての〝物語〟を取り去り作品を見てみると、
日本の自然美を情感豊かに表現していることに気付く。
燃えるような紅葉 、たわわに実った葡萄、風に揺れる秋草、
静かに輝く月、春を待つ椿、そして、生き生きとした蟹。
作品からは、自然、そしてモノを作ることに対して、
真摯で謙虚であった魯山人の姿が浮かび上がってくる。
本特集では、今年「魯山人館」が開館した島根・足立美術館の名品を
花鳥風月に分け、魯山人の言葉とともに紹介する。
魯山人の愛した自然美の世界を感じてみたい。
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