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「光合成」というと、植物が行う“酸素を発生し、炭酸ガスから有機物を合成する働き”を思い浮かべる人が多いだろう。しかし、酸素を発生しない光合成を行う生物も古くから知られており、これらは「光合成細菌」と呼ばれてきた。植物型光合成と同様の原理で光エネルギーを変換するが、そのシステムは簡素で、以前から光合成機能解明の研究材料として用いられてきた。
本書では、近年の進展を含めた光合成細菌に関する幅広い知識を紹介・解説する。光合成の機構とともに、光合成細菌が生態学的にも進化学的にも興味深い研究対象であること、取り扱いやすい将来性豊かな素材であることも認識してもらえれば幸いである。
【主要目次】
1.光合成と光合成細菌 2.種類と系統分類 3.生態と培養法 4.反応中心と光合成電子伝達系 5.物質代謝 6.光合成色素および脂質、キノン 7.光捕集系 8.光合成遺伝子と発現調節 9.光合成の誕生と進化 10.光合成細菌の利用
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