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「精神」へと/から向かう芸術の解放と創造
20世紀初頭にヨーロッパで同時多発的に起こった革新的芸術運動の震源地のひとつは、間違いなく、1912年5月にミュンヘンで一号のみが刊行された年刊誌『青騎士』である。カンディンスキーとマルクの出会いから生まれ、両名を編者とするこの年刊誌には、絵画図版はもちろん、絵画論、音楽論、演劇論、詩、舞台エスキス、楽譜に至るまでが、旧弊たる芸術ジャンルの枠組みを破壊すべく混淆的に収められている。同時代のドイツ、ロシア、フランスの芸術家、音楽家、作家・詩人、評論家たちが論考その他に名を連ねる一方、ドラクロワやゲーテからの引用や、古いドイツの木版画、日本を含む東洋の絵画、中世ヨーロッパ、エジプト、アフリカ、南アメリカ、東南アジアその他の地域の芸術遺産や民芸、ロシアの民衆版画やバイエルン地方のガラス絵や奉納画、さらには子どもの絵などが、ピカソやマチス、キルヒナーやセザンヌなどの作品と並置される。『青騎士』はこうして、ジャンルや国境を横断するのみならず、時代や文化圏をも軽々と超越し、それらを綜合することで、根源的で普遍的な芸術における「精神的なもの」へと読者を駆りたてる。
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