海をあげる

海をあげる

1~2日で出荷、新刊の場合、発売日以降のお届けになります

出版社
筑摩書房
著者名
上間陽子
価格
1,760円(本体1,600円+税)
発行年月
2020年10月
判型
四六判
ISBN
9784480815583

Yahoo!ニュース|本屋大賞2021 ノンフィクション本大賞受賞!第7回沖縄書店大賞 沖縄部門大賞受賞!第14回(池田晶子記念)わたくし、つまりNobody賞受賞!「海が赤くにごった日から、私は言葉を失った」おびやかされる、沖縄での美しく優しい生活。幼い娘のかたわらで、自らの声を聞き取るようにその日々を、強く、静かに描いた衝撃作。―――ねえ、風花。海のなかの王妃や姫君が、あの海にいる魚やカメを、どこか遠くに連れ出してくれたらいいのにね。赤くにごったあの海を、もう一度青の王国にしてくれたらいいのにね。でもね、風花。大人たちはみんな知っている。護岸に囲まれたあの海で、魚やサンゴはゆっくり死に絶えていくしかないことを。卵を孕んだウミガメが、擁壁に阻まれて砂浜にたどりつけずに海のなかを漂うようになることを。私たちがなんど祈っても、どこからも王妃や姫君が現れてくれなかったことを。だから私たちはひととおり泣いたら、手にしているものはほんのわずかだと思い知らされるあの海に、何度もひとりで立たなくてはならないことを。そこには同じような思いのひとが今日もいて、もしかしたらそれはやっぱり、地上の王国であるのかもしれないことを。だから、風花。風花もいつか、王国を探して遠くに行くよ。海の向こう、空の彼方、風花の王国がどこかにあるよ。光る海から来た輝くあなた、どこかでだれかが王妃の到着を待っているよ。(「アリエルの王国」より)―――最後に知るタイトルの意味――その時、あなたは何を想うか。ブックデザイン=鈴木成一デザイン室装画・挿画=椎木彩子【目次】美味しいごはんふたりの花泥棒きれいな水ひとりで生きる波の音やら海の音優しいひと三月の子ども私の花何も響かない空を駆けるアリエルの王国海をあげる調査記録あとがき

お気に入りカテゴリ

よく利用するジャンルを設定できます。

≫ 設定

カテゴリ

「+」ボタンからジャンル(検索条件)を絞って検索してください。
表示の並び替えができます。

page top