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三島が初の小説「酸模」を書いたのは、日中戦争が本格化していく1938年、13歳の時。本書は、以降時代の流れにそって各年代から9篇を精選した。二十代の作品からは奇癖をもつ女を描く「手長姫」や、兄妹の異様な短篇「家族合せ」、虚ろな日本人の姿を切り取った「S・O・S」、三十代は技巧冴える「魔法瓶」、怪談「切符」、四十代の問題作「英霊の声」など。などてすめろぎは人間となりたまひし。「英霊の声」は、〈天皇と日本〉を根本から問う永遠の問題作。
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