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流れていったいくつもの歳月が、
いっぽんの太い縄へと編まれ、
そしてまたやさしくほどかれてゆく。
ゆたかなさびしさを連れて〓〓。
『正座』から五年、
池田はるみ第七歌集!
【歌集より】
陽にむきて都こんぶを〓みをればすつぱいままのさびしさが来る
亀さんの手押し車が来なくなりまた夏が来たくすのきのそら
橋の上のベンチに爺さまふたり居て川底みてる風がとほるよ
自らのおよぼす力のすくなきを解放といひ無力ともおもふ
「歳月」はなにも裁かずゆきたれば なるやうになりならぬものあり
総武線東中野の駅に降りちよつと探しぬ岡井隆を
夢のなか漂ふやうな傘がゆき晩秋を過ぎ初冬となりぬ
相撲つて裸で濃厚接触のスポーツなれど歴史は深い
2015年から2020年の作品479首を収録。
装幀=花山周子
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