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この本は、これまで介護の仕事に従事したことのない
「新人」の著者が、70歳にして老人介護施設の
施設長に就任した経験を基に書かれたエッセイです。
みなさんは老人介護施設にどんなイメージをお持ちですか?
どちらかといえば、ネガティブな印象がある方も多いでしょう。
例えば
寝たきりのお年寄り、徘徊する認知症の入所者、トラブルの数々。。。
自分の親を入所させるにしても、ちょっと躊躇しますよね。
本当に預けていいのか。
親の面倒を施設側に一任することに罪の意識を覚えることも
あるかもしれません。
けど「本当」の老人介護施設がどんな場所かご存知でしょうか。
マスコミの報道などで、悲惨な部分だけが切り取られた
イメージだけで判断していませんか。
著者で医師の川村隆枝さんは自らの経験を基に
「介護施設は姥捨て山ではありません」と断言します。
川村さんが実際に見た介護施設は
スタッフが親身になって入居したお年寄りの
面倒を見る、とても「素敵な」場所でした。
●コロナで中止になった街のお祭りの代わりに、スタッフが
急遽施設内でお年寄りのためのお祭りを開催
●車いすでお出かけできるお年寄りならば、お花見や
雪見、海などの行事がある
●イライラしやすくなったお年寄りのために
その人が若い頃大好きだった音楽を用意して
気持ちを慰めてあげる
●認知症で栄養チューブを自分で抜き取ってしまう
人のために、手袋を用意。その手袋の5本の指には
小さなぬいぐるみがついている。
といった、細やかで、思いやりのある
ケアが行われています。
もちろん、辛いことも大変なことも時にはありますが
それを上回るあたたかい時間が流れているのが
介護施設の「本当の姿」でした。
川村さんは「介護施設は入所者にとって楽園」と言います。
ぜひ、あなたも、このエッセイを通じて
介護施設の本当に素敵な姿に、触れてみていはいかがでしょうか。
そして、70歳にして新しいチャレンジを始めた
川村さんの前向きでハツラツとした生き方に
勇気をもらう方もいると思います。
「70代だからこそ、豊富な人生経験と
磨きあげた知力を発揮できる場はたくさんある」
川村さんは語ります。
年齢を重ね、仕事の第一線から退きつつある方でも
新たなフィールドで活躍できる可能性は無限大。
この本は、これからを生きるシニアの方の
人生の羅針盤にもなり得ることでしょう。
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