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『ぼくのとうさん』『わたしのおかあちゃん』は、それぞれ独立した作品です。
両作品とも、親のしごとをモチーフに、実際の子どもの詩に着想を得て、物語にしました。
「ぼくのとうさん」のしごとは、市の清掃車でのしごとです。
暑かったり、くさかったり、ときには残飯の水しぶきを浴びたりすることもあって、決して容易なものではありません。
そんなとうさんのしごとをバカにされた主人公(3年生)のこころの葛藤、またバカにしてしまった友人のこころの痛みと成長を「はたらくこと」の意義と尊さをとおして描きます。
「わたしのおかあちゃん」は、居酒屋で働きながら二人の子どもを育てています。
明るく元気なおかあちゃんですが、主人公(4年生)の女の子は、母親の働くことの苦労も理解しています。
ある日、平穏な三人の生活のなかに、居酒屋の店長さんが登場します。
他人を受け入れることへの不安と苛立ち、故人である父親への想いを家族の絆、社会とのつながり、将来への希望をとおして描きます。
ささやかだけど、お互いを思いやる日常のひとこまを描いた二つの作品は、わらいとなみだのなかに、「とうさん」と「おかあちゃん」への限りないエールであふれています。
同時に、「はたらくこと」や「しごと」を意識することで、「未来の自分」や「社会の一員としての自分」、
また人々とのつながりについて、考えるきっかけにもなると思います。
*社名のフロネーシスとは、古代ギリシアの哲学者、アリストテレスのことばで、
毎日の生活のなかで、善悪を分別し、状況に応じた適切な判断ができる実践的な知恵のことです。
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