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イマジネーションは時を超える!!
2020年、過去に公開されたとある映画が、思いがけず注目を集めることになりました。
小松左京作品を原作とした『復活の日』(監督:深作欣二)です。
40年をさかのぼる1980年に公開されたこの日本映画は、今年になって突如人類を襲った新型ウィルス感染の「予言」的な作品として話題を呼び、かつて劇場で観た人から、当時生まれていなかった年代の人まで、ネット配信というIT技術によってもたらされたツールによって多くの人に視聴されることになったのです。
復刊ドットコムでは『生賴範義画集』シリーズとして、小松左京作品のカバーを飾った『生賴範義画集〈SAKYO〉』を刊行することになりましたが、本書はその関連書となります。
〈SAKYO〉が、本という形態にこだわり、小松左京著作に提供されたイラストを、出版社を跨いでセレクトした画集だったのに対し、本書〈SAKYO MOVIES〉は、文字通り小松左京原作の「映画作品」のために描かれたイラストを、1冊に集めた企画です。
なかでも圧巻は、1980年の映画『復活の日』のために描かれた25点のイラスト群の完全収録です。
1964年、小松左京によって書き下ろされた長編SF『復活の日』に惚れ込み、角川文庫に同作を迎え入れたのが、当時の角川書店社長・角川春樹氏でした。
そして、70年代以降に日本映画界を席捲した「角川映画」のプロデューサーでもあった角川春樹氏は、『復活の日』の映画化に乗り出します。
そこで、海外での現地撮影やプロモーション、役者たちへの意思の疎通のために、生賴範義に作中を具体化する“イメージボード”の制作を依頼しました。今回の企画では、それらすべてを、これまでにないワイドサイズで収録。
世界的なコロナ禍を経験している今となっては、これらのイラストの迫真性に改めて震撼させられます。SF作家・小松左京の作家的イマジネーションと、イラストレーター・生賴範義の視覚的イマジネーションが相まった驚愕の作品群です。
本書には『復活の日』のほかにも、ふたりの巨匠による作品『首都消失』や『日本沈没』などの多彩なポスター群も、収録を予定しています。
つねに“未来”について思考し続けた小松左京の視線は、今でも現実へと転化する可能性を秘めており、その視線を魅力的なビジュアルにできたのは、誰よりも生賴範義でありました。
本書は、その“あかし”ともなる作品集とも呼べるものです。
日本、いや世界をも代表する想像力=イマジネーションの共演を、存分にご堪能ください。
(c)生賴太郎/小松左京ライブラリ
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