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数学は厳密さの上に成り立っている。それゆえに,数学の書籍や論文を読むには,文がもつ情報を正確に引き出すための文の構造の知識(文法),すなわち主語,動詞,目的語,補語など重要な役割を担う語を見つけて文の構造を解析することが必要となる。本書は日本語を母語とする数学者である著者が,日本語を母語とする言語学者ならびに英語を母語とする数学者の監修のもと,講義での経験を踏まえて書き下ろした,数学のための英語のテキストである。
文章の解説に加えて,数学の文献を読むのに必要最小限の英文法を,理数系の学生が読みやすい形にまとめ,特に各章の初めには必ず文法のまとめを入れている。また,一つ一つの単語を確実に覚えるためには,発音ができるということも重要となってくる。そのため,各章ならびに付録にまとめた数学用語集では第1アクセントを入れるように努めている。さらに,理解を確実なものとするために,演習問題も各章に入れている。
英語の学習が無理なくできるよう,数学の内容は高校3年時に習うものから徐々にステップアップするようにしている。英語で書かれた数学の書籍や論文を読む際にはもとより,論文などで,特に初めて英語で数学に関する文章を書くような読者にとっても,座右に置きたい1冊となろう。
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