気候変動と中世社会
―気候変動は、確かに歴史を左右していた―
古気候データと文献史料や考古資料の詳細な対比が生み出す、気候と歴史の関係についての最新成果。新しい歴史学研究の一分野を開く画期的研究。
総合地球環境学研究所(地球研)のプロジェクト『高分解能古気候学と歴史・考古学の連携による気候変動に強い社会システムの探索』にて、過去数千年間にわたる年単位での高精度気候復元の最新の成果をもとに、古気候学・歴史学・考古学が連携し、気候と歴史の関係を解明する。
【第4巻の主要目次】
第1部 中世の環境と景観
第1章 中世における気候変動の概観(中塚武)
第2章 古代・中世の景観変化と気候変動―東京湾東岸における沖積平野の変遷を中心に―(笹生衛)
第2部 災害・飢饉への対応
第3章 一〇世紀を中心とする気候変動と中世成立期の社会―降水量変動と国家的祈雨儀礼をめぐる覚書―(田村憲美)
第4章 一〇~一二世紀の農業災害と中世社会の形成(水野章二)
第5章 「大飢饉」のない一四世紀―一三世紀の社会の変化と飢饉への対応―(伊藤啓介)
第6章 中世の風害と気候変動(水野章二)
第3部 荘園制とのかかわり
第7章 一〇~一二世紀の気候変動と中世荘園制の形成(田村憲美)
第8章 一〇世紀末~一一世紀の気候変動と荘園の認定(高木徳郎)
第9章 一四~一五世紀における荘園の農業生産の変動―播磨国矢野荘を中心に―(伊藤俊一)
第10章 東寺領山城国上久世荘の自然災害―古気候データと史料の検討から―(土山〓之)
付表(高木徳郎)
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