宮沢賢治は,たくさんの詩や童話を書いていますが,その中には科学の言葉がたくさん出てきます。たとえば,「銀河鉄道の夜」という童話には,
「川の向こう岸が俄かに赤くなりました。……ルビーよりも赤くすきとおりリチウムよりもうつくしく酔ったようになってその火は燃えているのでした。」
という表現が見られます。
この,「リチウムよりもうつくしく」という,リチウムの赤い炎とは一体どんなものなのでしょうか?
それは,塩化リチウムの粉末とカセットガスコンロがあれば,実際に見ることができます。
そんなふうに,「銀河鉄道の夜」の中に出てくる言葉で,実験や実物が見られるものを再現してみたのが本書です。
宮沢賢治がどんなことを思い描きながらこのお話を書いたのか,その幻想的な世界がよりリアルに浮かんできます。
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