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クリムト、ワイエス、デビッド・ホックニーなどの作品はもちろん、古墳内部の絵や、これまで見る機会のなかった画家の作品もたくさん取りあげている。数多くの図版に触発された名エッセイが、見る楽しみと読む楽しみを増大させる。
つげ義春夫人の藤原マキの作品や、長沢芦雪、カラバッジョや、黒田征太郎、李朝民画の魅力を語り、甲斐大策や、堀晃、奥山民枝の作品を紹介する。100歳の画家・野見山暁治の絵のパワーに圧倒され、作家として、洞察を深める…。あるいは藤田嗣治の戦争画に込められた思想を読み解き、専門書とはまた違う解説は卓越したエッセイであり、著者独特の着眼点による刺激的な作品。
2021年には野見山暁治100年の大々的な個展開催の予定。1月9日より東京日本橋高島屋を皮切りに、2月北九州市立美術館、3月2日より京都、5月、鹿児島と順次開催予定。
芥川賞作家村田喜代子が偏愛する画家たちを紹介した絵画エッセイ第3弾。 作家の鋭い感性が、絵画を読み解く。 紹介された画家は、いづれもクセ者ばかり。クリムト、デヴィッド・ホックニー、アンドリュー・ワイエス、奥山民枝、長沢 黒田征太郎、大和絵、王塚古墳石室展開図、藤原マキ、藤田嗣治の戦争画、 大胆な構図と、細やかなディテールで、 見る者を圧倒する。
絵画の感想を、言葉で記す。始めから敵わぬ恋文のようなものだ」と著者は書く。とすると、「偏愛」は「片愛」(片思い)ということでもあるのだろうか?それはともかく、前2作より、著者の嗜好がよりはっきりしてきたようだ。集められた絵の印象を一言で言うと「塊」のような絵。絵の中心で描かれたものが圧倒的な存在感を示す。それを著者は言葉にしようと試みる。確かに敵わないのかもしれないけれど、その分作者の語りも物語に近づくように読める。絵も文章も全力投球。『一枚の繪』に連載している傑作エッセイ第3弾!(前2冊は平凡社刊)
たとえば、「江戸の嫌われ者・長沢芦雪と、ローマのならず者カラバッジョを重ね合わせると、
美術というものが抱えた思念の世界の澱が覗けるようだ」と作家は喝破する。
三浦しをん氏
「村田さんの言葉は、魔法の呪文。
絵のなかに入っていくような、わくわくする気持ちを味わえます」
刊行後、三浦しをん氏とのトークイベント予定。
10月10日大阪枚方蔦や屋書店にて開催。
絵画作品を見る。それぞれの見方があるが、芥川賞作家・村田喜代子の言葉で絵の印象がさらに強く、存在感を増してくる。クリムト、ムンク、デヴィッド・ホックニーなどの作品もあるが、つげ義春夫人の藤原マキの作品など、これまで見る機会のなかった画家の作品も多く、大道あや、不染鉄や野見山暁治の絵には見えない力と思いに圧倒される…。専門書とはまた違う解説は卓越したエッセイでもあり、著者独特の着眼点による刺激的な作品だ。
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