ますます社会の高齢化が進み、医療の現場では認知症をもつ入院患者に対する適切な対応が求められています。本書ではがん性疼痛、心不全の悪化、透析の治療の場面で、認知症高齢者によくみられる事象とその原因を探り、認知症高齢者が安全に治療を受けるための看護のポイントを示しています。また、抑制や終末期治療の選択などへの倫理的視点についても問題提起をしています。研究者の視点と実践の立場の両面から、認知症高齢者の入院治療について考えた読み応えのある1冊です。
【主な内容】
序 章 入院中の認知症高齢者の看護に求められている「予防」
1. 認知症の人における予防とは
2. 認知症の三次予防
3. 身体疾患の三次予防
4. 身体的健康と認知症の負のスパイラルの予防
5. 入院当初の混乱や不安の予防
6. 加齢変化による急変の予防
第1章 入院中および退院に向けた認知症高齢者への倫理的視点
1. 抑制が及ぼす影響
2. 認知症高齢者の服薬管理を考える
3. 再入院予防のための在宅療養後方支援病院と訪問看護師との情報共有、仕組みづくり
4. 維持血液透析の治療の選択における看護
第2章 疾患別の認知症高齢者の看護の実際
1. 認知症高齢者のがん性疼痛の判断
2. 慢性心不全の急性増悪期にある認知症高齢者の経過別看護
3. 血液透析を受ける認知症高齢者の透析経過別看護
第3章 身体症状がある認知症高齢者の看護の基本
1. はじめに
2. 治療経過の中で苦痛や混乱が起こる時期の特定と予防的看護
3. 「見せる」説明や見通しを告げる
4. 「認知症だから」と考えず、第一に身体の状態を確認する
5. 身体状態の異変を知るための、具体的・複合的な「聞き方」・「確認」
6. 認知症高齢者のニードと治療の必要性との間での「交渉」
7. 日常生活のケアの中で積極的に認知症高齢者の力を使った身体・精神機能の廃用予防
第4章 身体疾患の治療で一般病院に入院する認知症高齢者をめぐる状況
1. 身体疾患をもつ認知症高齢者の入院の動向
2. 一般病院に入院し身体疾患の治療を受ける認知症高齢者にみられる対応困難な状況と対処の実情
3. 認知症施策からみた一般病院における看護の方向
これからの課題-再入院予防のための認知症高齢者への退院指導
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