〈米中新冷戦〉と中国外交

〈米中新冷戦〉と中国外交

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出版社
白水社
著者名
松本はる香
価格
2,640円(本体2,400円+税)
発行年月
2020年10月
判型
四六判
ISBN
9784560097892

「戦争前夜」の危うい均衡?

 アメリカのペンス副大統領による「新冷戦」演説(2018年10月)は世界中に衝撃を与えた。この演説が重要なのは、トランプ大統領の対中スタンスにとどまらず、米国全体の不満を代弁したからである。
 この流れは、米中貿易戦争やコロナ禍を経て、いっそう強化されている。ポンペオ国務長官が20年7月、これまでの対中関与政策を全面否定し、「新冷戦」演説からさらに踏み込んだ発言を行ったのは記憶に新しい。
 「戦争前夜」(グレアム・アリソン)とも形容される米中関係が時代の基調となるのは間違いない。他方、「大国の論理」という眼鏡だけでは現状を大きく見誤るだろう。安易な陰謀論や中国脅威論はその産物であるが、いつも現実はより複雑である。
 本書は、北東アジアという観点から中国外交を再検証する試みである。この地平から眺めると、「新冷戦」は全く異なる相貌を帯びてくる。
 「一帯一路」でロシアの顔をうかがい、北朝鮮を制御できず、安倍外交を警戒する中国の姿がそこに浮かぶ。緊迫する中台関係も「翻弄されたのは中国か台湾か」見極めが難しい。アジア経済研究所による、覇権争いの「罠」に陥らないための最新の分析。

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